いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

RPA研修に参加してきた

昨日まで2日間、通常業務を離れ研修に参加していた。

 

現在ビジネス界でキーワードとなっているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に関する実践力を身につける為の研修だ。

 

自分の職場でも既にソフトを導入しており、私はそれを組織内に推進する立場だ。改めてその知識と使い方を体系的に習得し、自らでも業務の自動化を実践できるようになろう、というモチベーションで参加した。

 

研修で扱ったRPAソフトは、自分がパソコン上でやる単純作業をプロセスとしてロボットに覚えさせ、ボタンを押せばそれを自動で遂行してくれる、といった能力を備えたものだ。

 

1日目は概要的な使い方と様々な機能について学んだ。そして2日目となる昨日は、与えられた課題に対して実際にロボットへの命令文を作ってみよう、という研修内容だった。

 

ソフトとしては誰にでも使いやすい作りになってはいるが、実際にロボットへの命令文をつくる部分では“プログラミング”的な頭を使う。普段業務では使っていない脳みその部分を使うようで、とても刺激的だった。

 

課題は3種類からやりたい1つを選ぶ形だった。私は『手元にあるエクセルの社員情報と、WEBシステム内の社員情報を突合させ、更新情報があればエクセル情報を正としてWEB情報の方を更新する』といった内容の課題を選んだ。

 

情報をリストとして取り込み、ループを回して1行1行システムで検索をかけていき、差異があればデータを上書きして更新。更新したものはエクセル管理簿に印をつけていく。我ながら、シンプルでムダの無い形で命令文を作り上げることができた。

 

その後、時間が余ったので選ばなかった2つの課題にも着手し、時間内に完成させることができた。普段の業務においては、こんなに一つのことに集中する時間はとれないので、とても楽しくて実りのある時間だった。

 

最後に研修メンバでチームとなり、自分の作った命令文の内容を共有し合った。その後、代表者が全体の前で発表するといった場面では、私がチーム内で推薦され、発表することになった。

 

講師からも、そのシンプルでムダの無い作りと、他の人が見ても内容がわかりやすい整頓された書き方を褒めて貰えた。私としても自信をつけることができた。

 

普段私は、方針を出して周りの人達を動かすという仕事ばかりをしている。そのため、自分ひとりで何かを作るという作業には向いていない、と勝手に考えていた。なんだか、新しい自分を発見できた気持ちだった。

 

さて、今日からはまた普段の仕事に戻る。

 

習得したスキルを用いて、自分の仕事もどんどん自動化するぞ、と思ったのだが、考えてみると、それに適した単純作業の業務は、既に派遣社員の方にお願いしてしまっていることに気がついた。

 

私自身に残っている業務は、人と調整をしたり、方針を策定したり、施策を考えたりという、RPAには命令できない仕事ばかりだったのだ。

 

そしてそのとき、ふと逆説的に痛感した。ということはつまり、RPAを推進していくと派遣社員の方々の仕事を奪い、ひいては雇用を奪うことにも繋がるんだ。

 

そのことは以前からもわかっていたつもりでいた。しかし、実際に自動化のイメージができ、作業内容とそれを遂行している人の顔を思い浮かべてみると、より生々しく、具体的な話として実感することができた。

 

世知辛いが、これが現代の社会だ。RPAだけでなくAIもどんどん導入されていく。私の仕事だって、いつそれらに取って代わられるかはわからないのだ。

 

自分の価値を奪われないよう、頑張ろうと思った。