いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

センチメンタル

ひとりの週末が終わった。

 

予想したとおり、そのほとんどを家の中で過ごした。日曜日に昼食を食べるがてら、スーパに買い出しに行ったのが唯一の外出だ。

 

その他の時間は、ほぼリビングで映画を観ていた。この週末で計7本もの作品を観てしまった。あとは本を読み、最低限の家事を済ませた。

 

ひとりだと自堕落な週末を送ってしまうという懸念もあったのだが、案外、時間を有効に使えたような気がする。健康的かと問われればそうではないが、これまでやりたかったことをじっくりとできたという意味では、精神衛生上良かったように思う。

 

ただ映画では、無意識のうちに恋愛もの、夫婦の絆ものを多く観ていた。もしかしたら、ひとりが寂しいのかもしれない。考えてみれば、今読んでいる小説も恋愛ものだ。ひょっとして感傷的な気分になっているのかも。

 

息抜きで見始めた新海誠の『君の名は。』も、2回目の視聴となるが心に響いた。見終わった後もその余韻に浸りたくて、ついつい同監督の『秒速5センチメートル』を続けざまに観てしまった。

 

どうして若者たちの恋愛はこれほど美しく感じるのだろう。大人になっても、胸を締め付けられてしまうのだろう。もう戻れないから?過去の恋愛と重ねているから?いろいろと考えは浮かぶが、どれもしっくりとこない。

 

今更学生になんて戻りたくないし、恋しくなって浮かぶのは妻の顔ばかりだ。今の生活にも幸せを感じているし、過去の恋愛にも後悔は残っていない。ではなぜ、こんなにも胸が疼いてしまうのか。

 

三十を過ぎた男が、若者向けの映画で、こんなにも感情的になるなんてとても恥ずかしいことなのだが、昨日はなぜか一日中、そんな感傷に浸ってしまった。

 

人を好きになるって素敵だな。両思いって幸せだよな。そんな当たり前のことを、改めて新鮮な気持ちで噛みしめていた。でも、いつまでも失くしたくない気持ちだ。