いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

結婚記念日に温泉へ

私たち夫婦の5回目となる結婚記念日だった。

 

そのため私は年休をとり、家族で『空庭温泉』に行った。本当は別の場所に行くプランも立てていたのだが、前日の時点で雨が降ることが濃厚になったので、急遽行き先を変更したのだ。

 

『空庭温泉』は今年にオープンしたばかりの関西最大級の温泉テーマパークだ。有名どころでいえば『大江戸温泉物語』のような場所だと想像してもらえばよいだろう。私は妻から教わり、HPを見ただけで心が躍った。

 

昼過ぎに到着した。入館するとまず館内着である浴衣に着替える。色とりどりの浴衣や帯が用意されており、案の定、妻はどれにするかを楽しそうに悩んでいた。

 

着替え終わると、そっさく館内を散策した。安土桃山時代の世界観をコンセプトにしているらしく、あたりは煌びやかで楽しげな雰囲気に包まれていた。縁日もでており、町娘たちによるイベントも開かれていた。
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フロアを見終わると『天空庭園』に行った。幸いそのとき雨は止んでおり、広々とした庭園の散歩と、足湯をしばし楽しんだ。その後は食事処に入り昼食を食べた。そこでも愉快な音楽が流れており、娘はポテトを頬張りながら楽しげなダンスを見せていた。

 

食事の後は『休み処』のあるエリアに行ってみた。漫画も借りられ、リクライニングチェアやソファの上で寝転がって読むことができる。私も妻も漫画を選び、意気揚々と陣取り読み始めたのだが、娘がじっとしているはずもなく、結局、私は娘に連れられ館内を歩き回った。

 

その後、娘を連れて妻が温泉に入りに行った。その時間で私はやっと漫画を落ち着いて読むことができた。一時間ほどで帰ってきた妻は、ドライヤー中に寝たという娘を抱えていた。休み処のマットの上に娘を寝かせ、私と妻はその傍らでもくもくと漫画を読み耽った。

 

途中で私もひとり温泉に行った。広々とした大浴場で、様々なタイプの風呂があった。私は身体が火照るまでゆっくりと浸かり、会社で溜まった疲れを癒やした。

 

休み処へと戻り、読んだ漫画が結構な冊数になった頃、そろそろ娘を起こして夕食をとろうと妻が言った。時計を見るともう8時だった。私は汗をかいた娘の浴衣を着替えさせた後、昼とは違う料亭風の食事処に入った。

 

お祝いということで、食事はそれぞれに豪華な御膳を選んだ。それらが運ばれてきたところで、やっと記念日らしい雰囲気がでてきた。私と妻は感謝を伝え合い、「もう5年かぁ」と感慨深い思いを双方につぶやき合った。

 

夕食を食べ終わると再び『天空庭園』へ。夜になりライトアップされた庭園の雰囲気は素敵だった。娘は嬉々として下駄を履いて練り歩き、私たちはそれについてまわった。気持ち良い夜風が軽やかに肌を撫でた。途中、妻をひとりで温泉に行かせた。娘を連れて入った夕方は、ゆっくりとできなかっただろうから。

 

結局、館内には11時間ほど滞在した。私たちは終電に乗って家へと帰った。ほんとうは翌日の朝まで滞在できるので、ぎりぎりまでそうするかを悩んでいたのだが、次の日の予定のことも考え、今回は帰ることにした。

 

とてもゆっくりできて楽しいところなので、次は朝までコースで来ようと妻とは話していた。全く記念日らしくない過ごし方だけど、それも私たちっぽいなと思う。なんにせよ、とてもいい一日を過ごすことができた。