いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

言い訳

ナイツ塙宣之の著書『言い訳』を読了した。
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話題となっており、どの本屋に行っても平積みされていたので気にはなっていたが、ナイツが特に好きな芸人というわけでもなかったので、買うつもりはなかった。

 

しかし、先日好きなバラエティ番組(ゴッドタン)で、芸人たちがお笑いについて真剣に語るという企画があり、それがとても面白かったのである。もっともっと芸人達のお笑い論を聞いてみたい、そう思わされた。

 

そして、その番組の中でも秀逸なコメントで輝きを放っていたのがナイツ塙だったのだ。企画の中ではこの本の話題もあがり、他の芸人達も大絶賛していた。また番組プロデューサーの佐久間宣之もラジオで絶賛しており、この本を読みたい気持ちが抑えられなくなった。

 

そんなわけで、実際に本を買って読んでみた。感想としてはとても面白かった。塙のM-1に対する熱い想いと、お笑いについての高い分析力には感服させられた。

 

私もM-1は毎年見てきたので、本に出てくる具体的な場面が頭に浮かび、良質な副音声を聞きながら、大会の名場面を振り返っているような楽しい気持ちになった。

 

そして、それぞれの芸人たちに対する分析は実に見事だった。なぜあのコンビが勝ち、あのコンビは負けたのか。とても納得感のある解説が詳しく語られている。

 

その解説には、対象の芸人に対する忖度は一切感じられず、絶賛もあるが、ダメ出しもしっかりと書かれている。客観的に見て、とても芯を捉えた評論のように感じた。この人のお笑い論は的確で読み応えがある。流石は若くしてM-1の審査員に抜擢された男である。

 

私は改めて、歴代のM-1をもう一度見直してみたいという気持ちになった。お笑い好きの人たちならば、間違いなく楽しめる一冊であろうとおススメする。

 

今年のM-1も楽しみだ。また沢山笑わせてもらおう。