娘を叱らないといけないときのツラさといったらない。
もちろん少しばかりは『腹だたしさ』も含まれているのだが、感情を主で構成しているのは『哀しさ』である。
大好きな娘とは、できれば笑顔ばかりを交わしていたい。冗談を言い合って、ケラケラと笑い、ときには私の方が叱られて「ごめんごめん」というような、ほのぼのとしたやりとりだけで済むのであればそうしたい。
でももちろん、そんなわけにはいかないのだ。子供だからときに「いけないこと」をするし、徐々に「我慢しなければいけないこと」も増えてくる。
そのたびに、私たちは娘を叱らなければならないし、娘からすれば、叱られなければならないのである。
会社での部下育成も同じかもしれないな、と少し思ったが、たぶん全然違うだろう。こんなにもその人を思い、愛情を持って指導する上司なんているわけがないのだ。