いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ヒューマンドラマ

ヒューマンドラマが好きだ。

 

つくられた物語につい心を動かされてしまう。そこに見え透いた計算を感じ取ったとしても、案外簡単に感動させられてしまうのだった。

 

私は友人が多くないし、人付き合いも良い方ではない。家族のことは大切に思っているが、それはもはや、彼女らが自分自身と同等であると捉えているからであろう。

 

そんな不人情な自分が、つくりものの人間模様に心震わされるだなんて、とても可笑しく感じる。もしかしたら、潜在的にそのような人間同士の絆を求めているのかもしれない。

 

よい映画を観終わったあとは、心が綺麗に洗浄された気持ちになる。ありきたりな表現だが、いつまでもこの状態でいたいと思う。そうは思っても、気がつけばいつのまにか汚れている。

 

毎日毎日、色んな空気を吸い込むたびに、心のひだに何かがこびりついてくる。一週間もすればだいぶ埃がつもる。そのまま放っておくと、次第に浅黒いベールが視界を覆ってしまう。

 

人間関係はひとことでは語れない。心の動きだってそうだ。だからこそ物語で描く意味があると思う。もしも一言で言い表せるものであれば、一行書いて、自己啓発本にでもしてしまえばいい。そんな本、私は読む気がしないけれど。

 

映画や小説は何も心のレッスンの為ではない。でも、それらに触れるたび、明日は少しでも人に優しくしよう、そんなふうに思うのであった。