いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

こんなにもか!

家族が家に帰ってきた。

 

里帰り出産で実家にしばらく滞在していた妻と娘、そして産まれたての息子がである。昨日は彼女らとの時間を過ごしながら、「こんなにもか!」と何度も心の中で叫んでいた。

 

「こんなにも小さかったか!」

 

生まれたての息子はもちろん、二ヶ月半会っていなかった娘に対しても、そのように感じた。写真や動画だけだとサイズ感がわからなくなってしまう。駅で再会した娘を抱きしめたとき、こんなにもかと驚きの感情を抱いた。

 

初対面となる息子を抱いたときも同様だ。新生児とはこんなにも小さかったか。妻たち曰く、これでもこの一ヶ月間で大きくなったらしい。それでも私にとってはあまりにか弱い存在に感じられ、抱き上げるのも恐る恐るであった。新生児の扱い方はもはや記憶には残っていない。

 

「こんなにも可愛かったか!」

 

みんなで新幹線に乗り大阪に帰る途中。何度もそのように思わされた。娘はとにかく甘えてきてくれて、終始私に抱っこされていた。彼女の物言いに、マスクをはずした顔に、笑い転げるその姿に、私はときめきっぱなしであった。

 

写真や動画のレベルでない。実物とはこんなにも可愛いものか。リアルの破壊力というものを感じざるを得なかった。息子も同様だ。まだ表情は少ないが、そのいたいけな姿を見ているだけで、胸がとろんと溶けてしまうようだった。

 

「こんなにも家族一色になるか!」

 

なんとかみんなで家に帰りつくと、さっそく娘が家のオモチャで遊びはじめた。子ども達がいると、彼女らが世界の中心となる。ふたりに増えたから尚更だ。彼女らに翻弄され、彼らの相手が第一優先となる。

 

そんな騒々しい家の中で、一緒にそれに立ち回ってくれる妻の存在はとても頼もしい。彼女がいるだけで家には安定感がもたらされ、何よりも私に心の拠り所ができるのであった。

 

今では家族のこと以外考えられない。遅めの夏休みをこのタイミングで取らせてもらうので昨日から5連休だ。連休が終わってからも、果たしてこれまで通り仕事に戻れるのだろうか。

 

家族と過ごす時間はこんなにも幸せだったか!