いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

トム・ソーヤーの冒険

マーク・トウェイン著の『トム・ソーヤーの冒険』を読了した。翻訳者は柴田元幸である。
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本作は、続編にあたる『ハックルベリー・フィンの冒険』と合わせて“アメリカ文学の古典的名作”だと言われている。そんなわけでいつか読みたいなあと思っていたのだけれど、ついに先日その気になれたので、意を決して読んでみた。

 

本当は少し前に発売された『ハックルベリー・フィン』の柴田訳が読みたかったのだけど、それは文庫化されるのを待つとして、まずは既に文庫になっている本作を手に取ったのであった。

 

感想を言うと、私は最後までうまく物語に入り込むことができなかった。読み方も悪かったのだろう。通勤電車の中でちびちびと読んだのだ。在宅勤務も多いためどうしても途切れ途切れとなり、物語の流れも何度か見失った。


また主人公が少年であり、国も時代も異なるということで、うまく感情が乗り切らなかったという面もあるだろう。ただそんなことはタイトルを見た時点でわかっていたことであるので、小説側に何の非があろうか。あるわけがない。

 

そんな感想とはなったが、読んでいてアメリカ文学の祖とまで言われる所以は、なんとなく伝わってきた。初めて読んだのだが、それまでの認識としては単なる児童文学だと思っていた。

 

しかし実際に読んでみると、その表現や描写、言い回しには秀逸なものが多く、端々から文学的芳香を感じ取ることができた。子供に読ませるのはもったいない。いや、子供の頃からこんな文章に慣れ親しめたのなら素晴らしい教養だろう。ヘミングウェイが絶賛するわけである。

 

またいつか改めて挑戦をしてみたい。そして『ハックルベリー・フィンの冒険』が文庫化された暁には、是非とも読んでみたいと思う。