いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

氷入りの麦茶

飲み物に氷をいれる習慣は、妻からの影響だ。

 

結婚する前は家でそんなことはしていなかった。冷蔵庫で冷やされ十分に冷たいのだから、そこに氷を入れるのは過剰だと思っていた。

 

しかし実際にやってみると、入れなかった場合よりも美味しくなるのだ。人間には飲み物によって美味しいと感じる適当な温度があり、氷を入れることでその温度に近づくのであろう。

 

はあ美味しい。昨夜も風呂上がりに氷入りの麦茶を飲みながら、しみじみとそう独り言ちた。

 

冬も近づき肌寒くなってきた中、暖かいお風呂に入り、その後で冷たい麦茶を飲み干す。この温度のデコボコ感が贅沢さを引き立てているのだろう。クーラーをかけながら毛布に包まるのしかり。真冬に食べるアイスクリームしかり。

 

人生自体がそうなのかもしれない。心が冷え込んでいるときに人の暖かさに触れると幸せを感じる。常にポカポカしていたなら気がつかない些細な幸せも、見つけることができるのかも。

 

シビアな日常を送っているからこそ、週末を喜び、風呂上がりの麦茶に感動し、妻と出会えたことの幸せを改めて噛み締めることができた。