いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

夜泣きっこ

くわぁ、という空気の漏れる音がする。

 

息子が欠伸したのだ。布団に仰向けになり彼を胸の上に座らせている私も釣られて欠伸する。

 

息子は欠伸の後しばしまどろみの表情を見せた。が、いくばくかすると思い出したかのようにフガフガと鼻息を鳴らし始める。直後、うす暗い和室の中に、彼の夜泣き声が響き渡る。

 

昼間は大人しく寝るのに、夜になると途端に寝付きが悪くなる息子。夜の暗闇が彼を不安にさせているのだろうか。彼を持ち上げ、座り位置を移動させながらにそんなことを考えていた。

 

昨夜は娘が風邪気味だったということで、2人ずつに分かれて寝ることにした。妻と娘は寝室で、私と息子は和室に布団を敷いて寝たのだ。息子と2人だけで隔離されて寝るのは初めてだった。

 

オッパイを飲んで幸先よく寝たものの、その後1.5時間くらいの頻度で彼はぐずった。寝る場所がいつもと違うというのも彼の調子を狂わせたのかもしれない。私はまずは自分が寝たままの状態で彼を身体に乗せ、体勢を変えてあげながらに彼をあやした。それでも寝ない時は私も身体を起こし、彼を様々な体勢で落ち着かせた。

 

そして3時間が経過すると妻のところへ連れていき母乳を飲ませてもらった。こればかりは妻に頼らなければならない。お腹が膨れると彼は気持ちよさそうに眠りについた。そして定期的な頻度で泣き声をあげる、その繰り返しだった。

 

そんな夜を過ごしたことで、今日私は昼の12時まで布団で寝ていた。普段は休みの日でも家族で1番に起きる私なのに、らしくない。短いスパンで起こされるという辛さを体感させられた。

 

それでも息子とふたり、襖を閉め切った和室の中で過ごすというのは新鮮な時間であった。なんだか前よりも息子と親密になれたような気がする。次の日が休みであるときにまたやろう。