いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

オードリー若林正恭の著書、『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読了した。

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普段はタレント本などは手に取らないのだが、この本は賞を取る等すこぶる評判が良かったので気になっていた。若林のこともオードリーのラジオを聴くようになってから好きになっていたので、文庫化されたこの機会に読んでみた。

 

若林の文章は、以前何かの本の巻末解説で読んだことがあったが、読書好きな芸人さんが書きそうな文章だな、といった感想が浮かんだだけで、特に好意的な印象は持っていなかった。

 

そのため、期待値が低い中で本書を読み始めたのだが、読んでいくうちにどんどんと引き込まれていくこととなった。解説では微妙に感じていた文体も、自分自身を語るエッセイにおいては、その魅力が十二分に発揮されていたのだ。

 

読んでいて、彼がひとり旅行で訪れたキューバ、モンゴル、アイスランド、そのどれもに行ってみたい気持ちになった。それはつまり、これが素晴らしい紀行文だということだろう。

 

そして、ますます若林という人物、モノの見方、考え方が好きになった。今後もラジオを毎週聴き、テレビでの活躍も見守っていきたい。

 

ちなみに巻末の解説はHIPHOPユニットCreepy NutsのDJ松永が書いている。こちらもファンであったので楽しめた。彼も文芸誌で現在連載を持っているので、それもいつか本として出版されるのだろう。文庫化の折には読んでみたい。