いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ナナメの夕暮れ

若林正恭の『ナナメの夕暮れ』を読了した。

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ラジオを聴き始めて以来、若林のファンになった。前作の旅エッセイも楽しめたので、今作も手に取り読んでみた。読み物として期待をしてというよりは、正直なところはファンブックとして。

 

期待通りには楽しめた。やはり若林の社会の見方、物事の考え方は面白い。たしかにネガティブだとも形容できるのだが、それよりも、本質を捉えていると言った方がよいのではないだろうか。

 

文章もどんどん巧みになっているように思う。前作では、文学的表現が無理に挿入されているような違和感を感じることもあったのだが、今作では全体的に肩の力が抜け、文学的なエッセンスも自分らしい自然な表現にまで昇華されている印象を受けた。

 

でもやはり、若葉の話は文章よりもラジオのトークで聞く方が好みである。やはり彼は芸人であるので、語りでこそその真価が発揮されると思う。間の取り方、ニュアンス、即興でのアドリブ…。同じ話でも、トークでこそ十全にその妙味が堪能できる。

 

ただ彼は魅力的な人物なので今後もたくさん書籍が出るに違いない。興味を惹かれたら読んでみたい。