いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

逃げきる

今日は朝から逃げ腰だった。

 

仕事において、このまま何事もなく週末に逃げ込みたい。そんな考えばかりが頭の中を占めていた。週の初めならまだしも、今週はもう『頑張りゲージ』が0に近かったのである。

 

昨日の昼ごろまではいい感じで仕事ができていた。しかし夕方、一本の電話を受け風向きが変わる。週明けの幹部MTGで、幹部たち向けに依頼を出すための資料を作る必要が出てきたと。

 

直接私へのオーダーではないにしろ、扱う内容は先週まで私が心を砕かれながらもなんとか節目の説明を終えたあの案件であった。正直もう今年中はこの件からは目を背けておきたい、そう思っていた矢先に飛び込んできた話だった。

 

そんなこともあり、私は朝からビクビクとして過ごしていた。調子がいいときは前のめりに仕事ができるのだが、そんな気力はなかった。こんな状態でいい仕事ができるわけがない。私は定時で仕事を上がって週末に逃げ込むことだけを、今日の目標に掲げることにした。

 

結局は目標通りなんとか逃げきった。正確に言うと、逃げきれてはないかもしれない。最後の最後で、決定的な矢印が自分に向きかけたところ、素知らぬ顔で逸らす体裁をとったからだ。

 

ただ今日残って仕事をしたところで、悶々とした気持ちがさらに募っただけであったろう。結局は月曜朝一に、部長の指示を仰ぐ形でしか結論は得られないのだから。そうだとしたらまた、月曜の朝から心機一転頑張った方が良い。

 

そんな自身への言い訳を唱えつつ、私は逃げるようにパソコンを落とし、終業連絡を送った。

 

これは完全に逃げである。でも今日のところは勘弁してほしい。逃げるは恥だが、自分の精神衛生を守る上では、時に役に立つものだから。