いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

初めてお小遣いを使う

娘が初めて自分のお金で買い物をした。

 

今年の正月から娘にお年玉(500円)をあげた。それ以来、娘がプールの試験に合格したり、特別にお利口な行動をとった際などに、100円ずつお小遣いを渡していたのだ。お金に馴染み、少しでもその仕組みを学んでもらいたいが為だ。

 

お気に入りの貯金箱も買ってあげ、娘はうれしそうにお小遣いを貯めていった。昨日時点では1200円が貯まり、すべて百円玉なのでそれなりのボリュームに見え、娘はほくほくとした様子だった。

 

自分のお金だから好きなものがあったら買ってもいいからね。そう何度も伝えていたのだが、娘はお金が減ることを嫌がり、頑なに使おうとしなかった。

 

そんな彼女の口癖は「パパとママのおかねがなくなったら、わたしのをつかう」だった。そんな時は一生来ないよ(あったら大問題だ!)、と声をかけるのだが、娘の財布の紐は固かった。というか、パパのお金でなんとか買ってもらおうと画策していた。

 

しかし本日、そんな娘がついに自分のお金で買い物をしたのだ。買ったのは300円のオモチャの洗濯機。電池で動き、実際に水を入れて洗濯ができる代物だ。娘は長いことそれを欲しがっていたのだが、ここにきてついに自腹を切る覚悟ができたらしい。

 

買い物から帰宅した娘は、さっそくシルバニアファミリーのキャラクターたちから服を脱がせ、嬉々として洗濯に励んでいた。「いいよこれ!きにいりました!」と娘は大満足したようで、私たちもその様子を微笑ましく見守っていた。

 

約束通り、娘はお店で立て替えをしてくれた妻に300円を支払った。貯金箱からお金は減ったが、大好きなオモチャが買えた。お金の使い方とその価値を、少し実感してくれたのではないだろうか。

 

思えば、私はお小遣いをもらい始めたのが小学校に入ってからと遅く、初めて自分で買った物は『コロコロコミック』だった記憶がある。毎月500円のお小遣いが、その一冊できっかり無くなっていた。

 

さらにいえば、初めて買ったCDはSteady&Co.の『春夏秋冬』だったな。やはり身銭を切るときには幾分の緊張があったので、このように記憶に残っているのだろう。そういう意味では、やはり自分のお金を使う体験というのは、大事なことだなと思う。