いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ありふれた夏の日

百貨店の特設コーナーでシーサーをつくった。

 

紙細工を組み立て、そこに一生懸命マジックで色を塗っている。娘がなにかを作っているときに見せる集中力はすごい。口をとがらせ、ときに半開きにして、黙々と自分のイメージと対峙する彼女。それを眺めているのは楽しい時間だ。

 

夏の太陽にたっぷり絞られた汗も、いまやTシャツの上でひんやりとしている。やや地味な百貨店だが、そのぶんお客さんは少ないし、とはいえ店内は涼しくて綺麗だしで、避暑地として立ち寄る場所としては最適なように思えた。

 

娘がやりたいと志願したので500円はらってシーサー作りに参加した。他の参加者はひと家族だけだったので、のんびりと作業ができた。お金を払ってまでこのような催しに参加したのは初めてだったが、やってみると案外よいものだなという感想を得た。

 

なにより娘が楽しそうで、スタッフさんにもたくさん褒めてもらえたので嬉しそうだった。娘が夢中になっていたので、途中で妻をひとりショッピングにも行かせることができた。好みのハンカチが見つかったらしく、紙袋をさげて嬉しそうに帰ってきた。

 

そのように今日もなかなか充実した一日を過ごせた。電動自転車に乗りみんなで出掛け、初めて訪れる大きな公園で遊んだ。その後は百貨店に寄り、息子の洋服等を買った。途中でタピオカミルクティを飲み、たこ焼きとクレープを食べた。

 

帰りの自転車では子供ふたりはぐっすり眠っていた。夕方になると風も涼やかで、妻と並んで気持ちよく自転車を走らせた。家につくと、すっきり目覚めた娘と、近くの広場で自転車の練習に励んだ。

 

普段の日曜日とあまり代わり映えのしない一日だけれど、明日への負担を一切考えなくてもよいのが夏休みの良いところだ。毎日子ども達と思いっきり遊ぶこと。それが今の私の仕事であり、喜びなのだ。