いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

カブトムシの産卵

飼っていたカブトムシが卵を産んだ。

 

交尾を目撃した1匹のメスを、少し前から別ケースに移していたのだ。ここ数日地上に現れなかったので、さすがにおかしいなと思い今晩そのケースを掘り返してみた。

 

丁寧に、慎重に、ゆっくりと土を掘り返していくと、ケース底近くの土の中から米粒のような白い球体がポロリとでてきた。

 

卵だ!YouTubeで予習をしていたので、すぐにそれだとわかった。やはり産卵していたのだ。その後はより一層慎重になって土を掘り返していった。

 

結局、合計15個の卵を掘り返すことができた。1匹のメスが産んだと思うと上々の数字ではないだろうか。ただ最後まで土を掘り返してみて、驚いた。

 

卵を産んだメスがケースの中から姿を消していたのである。正直、数日前から生き物がいる気配がなかったので、死んでしまったのかと思っていたが、なんとケースから脱走していたわけである。

 

どこからだろうかと不思議に思ったが、ルートはひとつしか思いつかない。おそらくは上開きするフタがしっかりと閉まっていなかったのだろう。卵たちのお母さんはその隙を見逃さず、広い世界へと抜け出したに違いない。

 

少し寂しかったが、死なせたわけではなかったので安心した。それに卵という素敵な置き土産を残してくれたのだから、感謝するほかないだろう。

 

幼虫を捕まえ、そこから成虫にまで育てあげ、オスを捕まえ、このたびついに産卵にまで辿り着いた。はじめて昆虫を飼育したのだが、この上なく順調な展開をみせている。

 

明日にでも卵を育てる用のケースを飼ってこよう。残るはオスが1匹、メスが2匹、そして卵が15個。まだまだ楽しい飼育は続きそうである。