いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

リモコン好き

赤ちゃんはなぜリモコンが好きなのだろうか。

 

うちの息子もその例に違わず、リモコンを置くとそれをめがけて突進してくる。ソファによじ登り、限界まで手を伸ばす。一瞬の隙を見逃さず、隙あらば奪取を試みる日々だ。

 

首尾よくリモコンを手にできると、彼をそれをカジカジと齧りだす。結局は他のオモチャにしていることと一緒じゃないかとも思うのだが、それでもリモコンに対しては特別な執念を燃やしているように見えるのだった。

 

そんな彼だが、今夜の場合は少し違った。私が目を離した隙にリモコンを手にすると、彼はそれをテレビに向けボタンを押す所作をみせたのだ。

 

最近の彼には教育テレビ等いくつかのお気に入り番組ができた。もしかしたらそれを観ようと思い、リモコンを奪取したのかもしれない。

 

前まではただ齧り付くだけだったのに、彼も少しずつ発育しているんだな。リモコンを手にしたいという目的の変化により私は彼の成長を実感していた。

 

そんな感慨に耽りながら彼の方に改めて視線をやった。彼は思いっきりリモコンに齧りついていた。