西内啓による実用書『統計学が最強の学問である[実践編]』を読了した。
数年前にベストセラーとなったシリーズの第二弾にあたる。普段は文学小説ばかりを読んでいる私だが、仕事における今後のキャリアについて頭を悩ませていた過程で本書に出会い、購読してみた。
通常なら第一弾から読みはじめるべきなのかもしれないが、第一弾は概要的な内容に留まっているということを知り、実践的な内容が書かれているとい本書から手に取り読むことにした。
統計学をまったく知らなかった私でも惹きつけられる導入で、章を追うごとに段階的に理解が深まっていくような構成で読みやすかった。
私も最低限の数学の知識は有していたので、学生時代に数式を覚えてただただ機械的に計算していたあの行為にこのような本質的な意味があったのかと、感動する場面も多々あった。
後半は少し難しい内容に踏みこんだが、基本的には数式は使わず、文章や図表だけで説明してくれるので、なんとか最後まで読み切ることができた。
とはいえこれでマスターしたとは当然ながら言うことはできない。ただ、これだけを抑えておけば統計学のスタートラインには立つことができると感じた内容だったので、本書を繰り返し読みつつ、フリーの統計ツール等も活用しながら、時間をかけて確実に習得していきたいなと思っている。
著者のロジカルな説明も読んでいて心地よかった。さすがはベストセラーを生み出せる書き手である。このシリーズは現在までに計4冊でているが、その全てを読んでみたくなった。とりあえずは、この前作にあたる第一弾を読んでみようと思っている。
本書を入り口に、統計学の考え方を仕事における自身の強みにまで育てていけたなら。そんな下心も抱きつつではあるが、なにより統計学がもつ壮大なポテンシャルに私の関心は増していくばかりである。