いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

小さな魔法

なんでか満足感の高い休日というのがたまにある。

 

今日はまさにそんな一日だった。レンタカーを借りて隣町のキューズモールを訪れただけなのだが、帰宅するとなんだかほっくりした満足感に包まれた。

 

振り返ると、減点がない一日だったのかもしれない。特に大きな感動はないものの、その逆もなく、高水準な精神状態を保ちつつ、起伏の少ない穏やかな時間を過ごした。

 

子供と大人どちらにも偏らず、バランスの良い行程で過ごしたのもよかったのだろう。ゆえにどちらも不満が募らず、感情を衝突させることもなかった。

 

娘と有料施設内で一緒に遊び、フードコートで各々が好きなものを食べた。路上でマジシャンのショーを鑑賞し、軽くショッピングをした上で、夕方にはイルミネーションの中を皆で歩いた。

 

帰りにはピザを買って持ち帰り、車を返した後に皆で美味しくいただいた。疲労感より満足感が勝る、なんとも平凡で素敵な一日だった。

 

マジシャンのショーを初めて間近で見た娘は、お風呂あがりにまだ興奮気味にそのことを話していた。

 

「あれ、どうやってたんだろう。あ、きっと手にちいさな魔法をかけてたんじゃないかなあ」

 

彼女の心には小さくないインパクトを残してくれたようだ。もっと大きな金額をハットに入れさせてもよかったかも。彼女が出会った初めての魔法使い。