いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ホクホクなイブイブ

車窓に流れる山がガトーショコラみたいだった。

 

茶色い山肌の頂上部付近にシュガーパウダーのような雪がまぶされている。そうか、冬だもんな。標高が高ければそりゃ雪ぐらい降ろうよ。

 

年内最後となるクライアントミーティングのため東京へと向かっていた。午前中に一件対面形式で済まし、その後、東京の事務所の方で別件のリモートミーティングをこなす。

 

思えばもう年の瀬だ。来週は月曜だけは勤務し、そこから10日間の冬休みをとる予定である。暦どおりの休みで前職時代よりは短くなるだろうとは覚悟していたのだが、案外、前職同様くらいには休暇がとれそうである。

 

年末には妻の実家への帰省と、大晦日から正月にかけてはホテル泊でプチ贅沢をする予定がある。体調を万全に保ち、楽しく過ごせれば良いのだけれど。娘が軽い風邪をひいたので少し心配している。

 

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帰り道はいつものようにスマホを立てかけて映画を1本観た。早起きして寝不足だったせいか、いつも以上に酔って気持ち悪かった。

 

それでも心は清らかに澄んでいた。クライアントミーティングも円滑に終えられたということももちろんだが、上司から珍しくお褒めの言葉を貰ったからだ。

 

尊敬できる上司だが、なかなか褒めてくれない人なので、その点にだけは物足りなさを感じていた。そんな彼から改まって話を切り出され、今日の資料の出来の良さと、すっかりコンサルタントとして一人前の資料が作れるようになったね、と褒められたのだった。

 

どうやら昨日の内部ミーティングでの事前説明のときから、そのことを今日私に対面で伝えようと考えていてくれたらしい。自分でもなかなか手応えを感じていた資料だったので、素直に嬉しかった。

 

いつもは褒めてくれない人がたまに褒めてくれると、なんだか本当に良かったんだと思えて、倍嬉しくなってしまう。これも上司の巧みな術中にハマっているのかもしれないが、ここは変に勘繰らずに、素直に受け止め喜ぼうと思う。

 

さらには妻から連絡があり、娘がプールの試験に合格したことを告げられた。週末は楽しいクリスマスを迎えることだし、本日は快い金曜の夜を過ごせそうだ。