カズオ・イシグロ作品について書かれた書評本だ。前回読んだものより後年に出されており、この本では『忘れられた巨人』までの紹介が載っている。
また作品紹介だけでなく、イシグロ自身の人物像や、イシグロ原作の映像化作品についての紹介もあり、そういった点では読み応えがあった。
ちなみに私がもっとも好きな『日の名残り』の映画の紹介を読み、無性に観たくなったので、すぐにAmazonでBlu-rayを購入して鑑賞した。とても素晴らしい映画であった。
また、この本には複数の書評かによるイシグロ論が掲載されており、多角的な視点が得られて興味深かった。各作品に対する紹介や考察は少なかったものの、イシグロファンなら楽しめる一冊ではないかと思う。
カズオ・イシグロ作品についての本は、もう一冊図書館から借りているので、そちらも続けて読んでみたいと思う。それも読み終わったら、是非ともイシグロ作品を第一作から順に読み返してみようと思っている。