いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

陰翳礼讃

谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読了した。

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先日泊まった道後温泉の宿に置かれており、宿に漂う古き良き時代の和の雰囲気も相まって、読み始めると夢中になって読み進めた。

 

結果として、宿泊中に読み終わることができなかったが、どうしても手元にも置いておきたい気持ちになったので、自身でもすぐに購入し、改めて最後まで読み通すことができた。

 

もともと発売された数年前にも本書のことは気になっていた。本屋でも平置きされており、味のある装丁なので手に取りパラパラとめくってまでいた。

 

しかし当時は日本古来の和の美しさに惹かれる気持ちが皆無だったので、購入するまでには至らなかった。

 

しかしそれが、道後温泉の由緒正しい歴史ある宿に宿泊した際に再開し、ちょうど宿の和の空気感に居心地の良さを感じでいたときに再会したため、今度は心を鷲掴みにされたのだった。やはり本とは出会うタイミングなのだなと、改めて思った。

 

最後まで読み終えた感想としては、とても美しく味わい深い本だった。谷崎の文章はとても気に入ったので、彼の小説も今度読んでみたい。

 

また本書は、日本家屋の写真も文章と共に多数掲載されており、それが文章で語られる世界観をより味わい深いものにしてくれていた。

 

この本は折を見て今後何度も繰り返し読む本になるに違いない。また一軍の棚に置く本が増えて嬉しい。