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文学パパが綴るかけがえのない日常

論破力

ひろゆき著の『論破力』を読了した。
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本屋で別の本を探しているときにふと目に入り、気になったので手に取り読んでみた本だ。

 

作者は2chニコニコ動画の運営にたずさわっていた西村博之。ネット上での有名人だ。知る人の中には、彼のことが嫌いあるいは苦手だ、という人も結構な数いるのではないかと想像する。

 

しかし私は、昔ひろゆきがある評論家とディスカッションする動画をみて、彼に興味をもった。(ちなみにその時のことについても本著には書かれている)彼の論理展開の面白さに心惹かれたのだ。

 

そんなわけで、この本を手に取ってみたのだが、さらりと読み通せて面白かった。ひろゆきなりの、議論テクニックが惜しみなく書かれている印象を受けた。

 

私も仕事において、“論破”ではないが相手を“説得”するのは比較的得意な方で、この本で書かれているテクニック達は、無意識なりに実行しているものも多かった。

 

ただ「相手のタイプを見分けて戦術を変える」ことだったり、「後先での得を考え敢えて負ける」ことだったり、振り返ればこれまで実行してこれなかったこともいくつかあり、自分もまだまだだな、と少し反省した。


本書の中で繰り返し書かれている、「ジャッジする第三者がいる場以外での議論はしない」、「意見ではなく事実を言う」というようなテクニックにはとても納得させられた。今後は意識して使っていきたいなと思う。

 

また「人生うまくいくのが目的で、論破はあくまでその手段」というメッセージには、とても感銘を受けた。これまではどの様な場面の議論でも言い勝つことを考えてしまっていたので、今後は先のことも見据え、より賢く振る舞っていきたいなと思った。

 

ただ、この本を読んで改めて、性格の悪い人の方が議論は強い、ということを感じさせられた。(実際にそうともこの本には書いてある)

 

もしそこが完全にトレードオフで、最強の論破力をつけるにはある程度冷酷な人間にならなければならない、ということであるならば、この力はそこそこでもいいかな、とも思った。