いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

歩き回る

会社へと向かう道すがら、秋を感じた。

 

空気がからりと乾いている。肌を撫でる風も涼しげで、どこか軽やかだ。連休中、私が室内に籠もっていたうちに、どうやら家の外では衣替えが進行していたようだ。

 

こんな季節なら歩くのもわるくない。もともと私は考え事をするとき歩き回る習性がある。同じように、職場においても私はよく歩き回る。

 

トイレに行くついでにぐるりとフロアを徘徊したり、電話で済む用事もわざわざ行って話したりする。テレワーク推奨の現代の流れにはそぐわない。わかっている。でもせめて出社したときくらいは、そうするようにと心がけている。

 

歩き回ることで出くわした人との会話がはじまる。すると情報が集まる。人間関係が深まる。冗談を言い合ってリフレッシュできる。自分の存在を広く認知してもらえるようになる。

 

テレワークは便利だが、ひとつの場所に皆で集まって働く、このような利点も完全には捨てられないと思う。言い方は不適切かもしれないが、私にとって職場は学校のような楽しさがある。家でも勉強できるけど、皆と授業を受けるほうが学んでいて飽きない。面倒くさいことでも、仲間と一緒なら立ち向かうことができる。

 

そんな昨日は、普段と同じように食事を摂ったのに体重計に乗ると少し痩せていた。そしてまた一つ出社するメリットを見出すのであった。秋。歩き回るのには最適な季節がやってきた。