いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

人生をどこからやり直すか

疎遠になった友人を思い出し、切なくなった。

 

出掛け支度に流していたBGMの曲を、その友人とよくカラオケで歌っていたことを思い出したのだ。

 

休日は物事をぼんやり考える余裕が生まれる。故に少々哲学的になり、センチメンタルにもなるのだ。

 

急に人生をやり直したくなった。今胸にわいた切ない気持ちを味わわずに済む人生に、漠然とした憧れの念を抱いた。できるわけがないのだが、やり直すとしたらいつに戻ったら良いのだろうか。

 

しかしすぐにある時点に線が引かれる。ふたりの子供が生まれた時点だ。それより前に戻ることは許し得ない。ふたりが生まれなくなってしまうからだ。

 

だとしたら、最長に戻れたとしても9ヶ月前だ。これなら戻っても仕方がないと、素直に諦めることができた。どうせ戻れやしないのだけれど。

 

そう思うと子供の存在というのは偉大だ。彼女らが存在しているだけで、それ以前の私たちの人生を全肯定してくれる。その前にどんなことがあったにせよ、ボタンひとつ掛け違えていたら彼らはいなかったのだと思うと、全てが愛おしく感じるのだった。

 

じゃあ人生をどこからやり直すか。今しかない。思い立ったそのときから、できることから変えていき、成り行きの未来を軌道修正すべきなのである。

 

大丈夫、その未来にも大切な家族はいるのだ。そう思うと、いつの間にか切なさは消えてなくなった。