いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

決断力

橋下徹の『決断力』を読了した。

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同じシリーズの前2冊を読んでいたので、この本も発売を知り手に取った。ちょうど仕事でも様々な決断を求められる場面が増えたので、何かしらのヒントが貰えたらと期待して読んだ。

 

結論から言えばこれまでの2冊と同様、たいへん勉強になった。橋下徹の根拠に基づき“言い切る”スタイルの文は、読んでいて心地よさを覚える。

 

論理的な説明と、直近の時事ネタを例にした解説で、読み手の理解を促してくれる。コロナ禍における政府対応についても中立の立場をとり、公平に評価している感が伝わってきたので好感をもてた。

 

この本において一番の学びとなったのは、絶対的な正解のない問題に対しては「手続的正義」という考え方を意識する、という点であった。

 

判断が難しく、各々の意見も割れるからこそ、判断するまでの「適切な判断プロセス」を重視して、多くの人が出された判断に対して納得できる環境・仕組みを作っておくことが大事だという考え方だ。

 

あれだけ適切なプロセスを経て出された判断ならば仕方ない。そう皆に思ってもらえるよう、そこに至るまでのプロセスを万全に整えるのである。これには仕事においても覚えがあったし、答えのない難問に対峙したときは、是非とも実践したいと思った。

 

また役職が上がるほど、判断すべき対象はどんどんと「絶対的な正解のない課題」ばかりになってくる。ゆえに、現在そのような難題に悩まされている方々はまずはそのことを誇らしく思おう。そんな言葉も本書には書いてあって、少しだけ励まされた。