いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

男の人になりたい

早く大きくなって、男の人になりたい。

 

妻に娘がそう言ったらしい。たしか私も以前同じセリフを聞いたことがある。当然私たちは娘に尋ねる。「どうして?」と。もろもろ認識を改めさせたい気持ちは、ひとまずぐっと抑えることにして。

 

すると娘はこう答える。「だってカイシャにいきたいから」。我が家は妻が専業主婦、親しいママ友さん達も同じなので、まあそういう認識になっても仕方がない。ここでも訂正したい気持ちを抑えて、さらに先を聞いていく。「どうして会社なんかに?」

 

すると、娘はやっと核心にある理由を告げる。

 

「だって、〇〇クンとまいにちあえるから!」

 

〇〇クンというのは私の会社の同期だ。家族ぐるみでの付き合いがあり、娘が大好きな人物なのだ。

 

やっと合点がいった私たちは、娘の最初の発言の意図を理解する。さらに娘はこう続けたそうだ。

 

「そしたら、たくさんギュッてしてもらえる♪」

 

これは娘の初恋と言ってもいいかもしれない。さっそく本人に教えてあげよう。そう思ってメッセージを書き始めたのだが、途中で消してやめておいた。