いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

贅沢焼肉

きっと科学的にも立証できるのだろう。

 

肉を頬張りながらにそう思った。炭火で焼くことによって肉表面でおきる化学変化だとか、高温でさっと焼き上げることで肉内部の油がどうなるとか。きっとそういう理屈なんだと思われる。

 

もしこれを立証できないのであれば、科学なんて大したことはない。だってこんなにも明らかに味が違うのだから。自宅でやる焼き肉とは比べものにならない。あまりにも美味すぎるのである。

 

もちろん肉自体も美味しいのだろう。店内の雰囲気や私自身の空腹も相乗効果を生んでいるに違いない。それでもそれが主要因ではないはずだ。

 

炭火焼きゆえの、ほら、あの…化学式かなんかで表現できるような、なんかそんな感じで、科学的にもきっと説明ができるに違いない。

 

子供らの体調が昨日で完治したので、今日は夕食に焼肉屋を訪れていた。日中は家で過ごし、夕方の開店から焼肉屋の前に並んでいた。予約はとれなかったので、最前列で開店を待つ必要があったのだ。

 

その作戦が功を奏し、無事に店内に入れ、子ども連れに適した掘りごたつ式の席を確保することができた。人気店なのでそうでもしなければ入れない。現に、我々が帰る頃には店内は超満員であった。

 

この店は娘もバクバク食べてくれる。訪れるのは二回目だが、前回は手広くメニューを頼みそれぞれの味が把握できていたので、今回は本命のメニューばかりを集中して注文した。

 

ハラミとホルモンを中心に据えた、間違いの無い布陣だ。それら二つは何人前もお代わりした。娘はイカも好きだ。我々はホタテやタンにニンニク、サイドメニューとしてはユッケや冷麺も食べた。

 

ここに来るとつい食べ過ぎてしまう。お会計もなかなかのものだ。でも今日はこれをメインイベントと考えていたので、それで構わないだろう。膨れたお腹を少しでも収めようと、帰りは緑地公園の外縁を自転車でぐるりと遠回りして走った。

 

火照った頬にあたる夜風は気持ちよく、噛みしめるミントガムがその爽やかさを増幅してくれていた。