いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

本当にエースだった件

今夜も採用面談の面接官を担当した。

 

もはや最初の頃の新鮮さもない。とはいえ、あまりテキトーにはできないので、なかなか厄介な役割だ。

 

今回の被面接者には不合格の評価を下した。スキルや経験面でも、人柄面でも魅力が感じられなかったからだ。いくら人材不足だといえ、あのレベルの人を入社させたらモチベーションが下がってしまう。一緒に面接官を務めたマネージャーも同じ印象だったようだ。

 

そんなお互いの評価印象を共有し合った面接終わり。そのマネージャーと画面越しに少し雑談も交わした。そこで「〇〇さんにめっちゃ期待されてるみたいだね」と、上司の名前が入った投げかけをもらった。

 

うちの上司は普段まったく褒め言葉をくれない。ゆえに、期待されているのかなんてわからない、と返すと、ここだけの話にしておいて欲しいんだけど、と断った上で、管理者会議での裏話を教えてくれた。

 

その組織長クラスがあつまる場で、うちの上司が私の名前をあげ、早々にマネージャーに昇格させたい旨を語っていたらしい。そして自分のチームにおいてはもちろん、部門全体のエース級に据えたいという意向も、組織長向けに宣言していたようなのだ。

 

正直なところ、言葉はなくとも、自分に対する上司の期待というのは薄々感じ取ってはいた。ゆえに妻には「俺早くもエース扱いだわ」と、得意げになって話もしていたくらいである。

 

ただ、それを幹部級の会議でそんな発言をしていたとか、自チームに留まらず部門全体のエース扱いをしようとしていたことについては、私の予想を超えた話であった。そこまでいくと、さすがにちと、身の丈に合わない怖さも感じてしまう。

 

それに私としては、マネージャーに上がるのはできる限り先延ばししたく、スタッフとして積める経験は、年齢が許す限りは積みたいという意向を持っている。期待されるのは有り難いとは思うものの、ちと有難迷惑な側面もあるのだった。

 

たまたま今日の昼頃、同期入社の人から連絡があり、自分は来年マネージャーに上がることを目指すのだと(聞いてもないのに)宣言されたところであった。

 

世の中、需要と供給がうまくいかないものだな、と改めて思った。まあ、彼の方はもしかしたら両方が揃っているのかもしれないけれど。

 

なんにせよ、私の自意識過剰ではなく、本当に組織内でエース扱いされていることが確認できた。そのことはとても嬉しいのだけど、昇格までが関わってくるのであれば笑ってばかりもいられない。身の振り方についてはちゃんと考えなきゃなぁ、と思ったのだった。