いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

露わなおでこ

娘の前髪をざっくりと切った。

 

夏も近づき暑そうだし、しばらくは大きなお出かけの予定もないため、見た目よりも機能性を重視した結果だ。

 

仕事中、髪を切った妻から写真が送られてきた。

 

前髪を切ったことで、これまで隠れていた濃いめの眉毛が露わになり、写真でみるとだいぶ印象が変わる。言い方は悪いかもしれないが、前よりも少し「イモっぽく」なったように感じた。

 

最初私はその変貌に少しだけショックを受けたものの、送られてくる何枚かの写真を見て目が慣れていく内に、これはこれで可愛いな、と思い直した。正直なところ、自分の娘はなにをやっても可愛いのである。

 

仕事が終わり家に帰った。実際に娘を見てみると、写真で見るよりも可愛かった。前髪が短くなったことで幼さがより強調され、そのあどけなさと垢抜けなさが、父親心をくすぐった。

 

あまりにも気に入ってしまった為、私は妻にも同じ髪型にしたらどうかとまで提案してしまった。(当然却下され、怒られた。)

 

それにしても、女の子は髪型を変えるだけでがらりと印象が変わるものだ。妻も数ヶ月に1回美容室に行っているが、そのたび大きく雰囲気が変わる。

 

切るのももちろんそうだが、髪の結び方でも同様だ。二つ結びや、ポニーテール、お団子、三つ編みから、名前の知らない結び方まで。これまでいろいろなパターンを見てきたが、そういう娘や妻を見るたびに、もっと違うスタイルも見てみたいなと思ってしまう。

 

きっと娘が大きくなると、自分でも髪型のことを気にするようになるのだろう。その濃いめの眉毛を気にして前髪で隠したり、細くしたり、するようになっていくのだろう。

 

化粧に興味をもちだし、ニキビに悩み、日焼けを気にし、爪の手入れなどもしだすのだろう。

 

そんな娘の成長を想像していくと、無防備におでこを出している今の娘が、とても貴重に、尚一層愛おしく感じられてくる。

 

娘に面と向かって「可愛い」と言っていいのは何歳までかな。そんなことをふと思い、少しだけ切ない気持ちになってしまった。

 

男の子とはまた違い、女の子は成長に伴いケアしなければならないことも多いだろう。父親としてどのように接していくのか、時間をかけて答えを見つけていきたいなと思った。

 

いつまでも露わなおでこを見せておくれよ。そんなことを言うと、当然却下され、怒られるのであろう。