いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

第一回 名前付け会議

少し前のことだが、赤ちゃんの性別が判明した。

 

それに伴い、昨日は妻と『第一回 名前付け会議』を開催した。出産予定の九月より前に、最終決定をめざす。

 

それぞれに紙を一枚配布し、現時点でのアイデアを列挙していった。一回目なので、使いたい漢字でもよいし、響きでもよいし、漠然としたイメージでもよいとした。まずはお互いの考えを共有することに重きを置いた。

 

個人ワークを経て、お互いの紙を見せ合った。妻の紙にはいくつかの漢字と、それを組み合わせた名前案が書かれていた。いくつかは私のイメージとも合致し、そこから少し話が膨らんだ。

 

一方で、私の紙には漠然としたイメージだけが書かれていた。爽やかで、落ち着きがあって、しなやかな強さを感じられる名前、といったように。

 

妻はそれを見て、ふぅとため息を漏らし、このように言った。「この会議を早めに開いておいてよかったわ」

 

私はポリポリと頭を掻いた。「イメージだけはあるんだ」。その言葉は自分の耳にも言い訳じみて聞こえた。

 

娘のときと同様、今回も最終決定は私が行うことが決まっている。しかし娘のときもなかなか決めきれずに、結局は終盤までもつれ込んだ。最後は妻が三つの候補まで絞り、その中から私が選ぶ形で決着がついたのだった。

 

ただ、娘につけた名前を私たち夫婦は心底気に入っている。そのため今回の第二子にも、最高の名前をつけてあげたいと意気込んでいるのだった。ただそれが難しい。

 

性別がわかる前までは、気軽に「こんな名前でもいいな」といくつも候補をあげていたが、いざ現実的に向き合うと、どれも決め手に欠けるように思えるのだった。

 

結局、昨日の会議では何の成果も得られぬままに終わった。ただし焦りのようなものは芽生えたので、これからは日々考えよう。第二回は、六月にも開かれる予定だ。