いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

ベビーカーの足どりで

昨日は家族みんなで近所の緑地公園に行った。

 

芝生の広場にテントを張りそこで昼食をとったり遊んだり。穏やかで楽しい時間を過ごした。

 

家から緑地公園までは歩いていける。そのため妻は娘を乗せて自転車で、私は息子を乗せたベビーカーを押して公園と家を行き来した。公園の敷地はとて広大だが、自然が豊かで、歩道も整備されているので歩いていても苦にならない。

 

ピクニックからの帰り道。私はベビーカーがあるので普段よりもゆっくりと歩いた。すると図らずとも辺りの風景が自然と目に入ってくる。

 

ここ最近では植物に興味を惹かれている。というのも、先日実家から娘の誕生日祝いで7冊の図鑑が届いたからだ。その中の一冊が『植物図鑑』であった。それを眺めているうちに、もっと植物に詳しくなりたい欲が湧いてきたのだ。

 

小説などを読んでいると、固有名詞で植物の名前がでてくる。そんなとき知識があればより映像が思い起こせるのにな、と思うことがよくあったのだ。また、色や香りの比喩でも花の名前はしばしば登場するので、文章を愉しむ上でも、植物の知識を広げたいと思っていた。

 

そんなこともあって、私はベビーカーを押しゆっくりと歩きながら、辺りに散在する植物をしげしげと眺めていた。公園には様々な植物が存在する。そのことを改めて実感させられていた。

 

気になった植物は近くまで寄って観察し、更に気に入ったものは写真にも収めた。息子もベビーカーでの散歩が好きなようで、仰向けの体勢で流れゆく景色を興味深そうに眺めていた。

 

そんな息子の瞳はキラキラと輝いており、口元には終始楽しそうな微笑みを携えていた。

 

そんなふうに、いつもよりも二倍以上の時間をかけ、時に回り道もしながら、ゆっくりと家路を歩いた。ベビーカーの速度で歩いていると、普段では目にも止まらないものにたくさん気がつくことができる。それがとても新鮮だった。

 

ちなみに写真に収めた植物たちは、家に帰って図鑑で調べてみた。その中のひとつ、特に興味を惹かれていた独特の香りを放つ花の正体は、『ノウゼンカズラ』だということがわかった。

 

学生時代、同様のタイトルがついた楽曲をよく聴いていたことを思い出した。こんな花をモチーフにして歌っていたのか。実物を知った上で楽曲を聴くと、より想像が膨らむのであった。

 

安藤裕子 / のうぜんかつら (リプライズ)

https://youtu.be/EHt_Xo-T174