いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

不穏な平穏

小説的に言えば、危うさが漂う平日が流れている。

 

先週末からのことだ。今の部署に来て以来、味わったことがないほどに、仕事に追われていないのだ。

 

定時で仕事が上がれるということを、薄気味悪がる時点で平常な部署とは言えないのだが、その感覚はこの半年ですっかり身体に馴染んでしまった。

 

それがここ何日か定時上がりが続いていることで、心中の不安は増すばかりだ。これが小説であればきっと章の終わり近くであり、次の章へと渡すブリッジとして、こんな文章が置かれるに違いない。

 

しかし、そのような穏やかな日々はそう長くは続かなかった。

 

もしくはこんな感じか…。

 

そのような私の平穏がこわされたのは、五日目の夜のことであった。

 

どうせそうなる。そうに違いない。これは不吉な予感などではなく、決まりきった既定路線である。

 

自分でも、今が本のどこらへんのページに差し掛かっているのかが感覚でわかる。きっと今は起承転結における『承』の終わり辺り。次のページを捲り、新しい章に入ったら冒頭から、既に私は荒波に飲み込まれ、その渦の中に身を置いているに違いない。

 

小説ならばすぐにでもページを捲りたいところだが、現実ならば、このまま本を閉じそのままずっと置いておきたい。でもそれができないところが現実なのである。事実は小説よりも融通がきかない。

 

平穏な日々にも不穏な気持ちを抱く。いやな職業病だ。早いとこぶっとい精神力を身につけなければ。