いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

恋しくて

村上春樹が編訳した『恋しくて』を読了した。
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10編のラブ・ストーリーが収録されたアンソロジーだ。その中には編者自身の短篇小説も含まれている。

 

ここ最近、どうしても読む作家が限定されてしまっていたので、意識的に初めて読む作家の作品を読みたいと思った。ただハズレは引きたくない。ということで、信頼できる作家が編んだアンソロジーを読むことに決めた。

 

真っ直ぐで素朴な若者の恋愛から、歪に屈折した大人の恋愛まで。十人十色のカラフルな作品達で、読んでいてどれも面白かった。村上が選んだとだけあって、どの作品も、どことなく彼の書く作品と似た匂いがした。

 

また、雑誌「ニューヨーカー」に掲載された短篇を基調にしていることで、いずれの作品も質が高い。久しぶりに「はじめましての作家」の文章をこんなに読んだのだが、やはり新鮮でいいものである。同じ恋愛小説でも様々な書き方があって、とても勉強になった。

 

この本を読むのと並行して、Amazonプライムで話題となっているオリジナルドラマ『Modern Love』も観ていた。こちらは「ニューヨーク・タイムズ」誌の人気コラムを映像化した短篇ドラマなのだが、この本と似た味わいを感じながらに観ていた。(ドラマの方も最高です)

 

人間を描く上でやはり恋愛という要素は欠かせない。それを生き生きと描くことで、紙面上の人物にも生が宿るのだ。そんなことを改めて実感することができた。

 

アンソロジー。また別のテーマのものも読んでみよう。