いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

文学パパが綴るかけがえのない日常

雑記

BRUTUS特集:村上春樹

BRUTUS特集:村上春樹を読了した。上下巻で構成されており、私は上巻が発売され遅れること数日後に、やっとその存在を知った。 Amazonにて好きな作家名で検索をする。定期的にやっている行為だが、最近ではあまりできていなかった。久々に『村上春樹』で検索…

100分de名著ヘミングウェイスペシャル

『100分de名著ヘミングウェイスペシャル』読了。 Amazonでふと目に留まり、読みたくなったので即注文した。以前、三島由紀夫の特集の際にも気にかけたが、そのときは結局買うには至らなかった。 ボリュームが多くなかったこともあるが、とても楽しく一気に読…

ある男

平野啓一郎の『ある男』を読了した。 平野の作品を読むのはこれで2冊目だ。本作には長らく興味があり、文庫化を機に読んでみた。 読み始めてすぐに、安心して身を委ねられる文章だなと感じた。現代作家の中でもその文章力には定評がある。その安定感をまずは…

トリニティ

窪美澄の『トリニティ』を読了した。 面白かった。窪美澄の作品はほとんど読んでいるのだが、その中でも本作は上位の読み応えだった。彼女の新たな代表作とも言えるのではないだろうか。 女性作家の作品はあまり性に合わないのだが、彼女の作品はなぜかすん…

熱帯

森見登美彦の『熱帯』を読了した。数年前に発売されて以来読みたいと思っていた作品だが、なんとか文庫化されるまで我慢することができた。本屋で新刊文庫が平積みされているのを見つけたときは青天の霹靂で、もともと買おうとしていた作品を差し置いて、手…

統計学が最強の学問である[実践編]

西内啓による実用書『統計学が最強の学問である[実践編]』を読了した。数年前にベストセラーとなったシリーズの第二弾にあたる。普段は文学小説ばかりを読んでいる私だが、仕事における今後のキャリアについて頭を悩ませていた過程で本書に出会い、購読して…

呪われた腕 -ハーディ傑作選-

トマス・ハーディの『呪われた腕』を読了した。 読む本に困ったときには未読の『村上柴田翻訳堂シリーズ』を買ってしまう。ただ、この本を読み始めたくらいに、文庫化を待っていた作品たちが5冊もリリースされてしまったわけだが。 それはさておき、やはりこ…

冷血

トルーマン・カポーティの『冷血』を読了した。 著者の最高傑作とも言われる名作だが、実際に起きた殺人事件のノンフィクション・ノベルということで、長いこと手を伸ばすことに躊躇っていた。 しかし先日『ティファニーで朝食を』を読み返し、カポーティの…

アメリカの鱒釣り

ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』を読了。 大好きな翻訳家、柴田元幸が絶賛していた翻訳であり、また村上春樹も影響を受けたという作家であることを知り、手に取り読んでみた。 一読して確かに村上春樹と同じフレーバーを感じとる。時系列で言えば村上…

決断力

橋下徹の『決断力』を読了した。 同じシリーズの前2冊を読んでいたので、この本も発売を知り手に取った。ちょうど仕事でも様々な決断を求められる場面が増えたので、何かしらのヒントが貰えたらと期待して読んだ。 結論から言えばこれまでの2冊と同様、たい…

【愛読書】ティファニーで朝食を

トルーマン・カポーティの『ティファニーで朝食を』を再読した。翻訳は村上春樹版である。 学生時代に読んで以来二度目だ。当時読んだ本は友人に貸したまま譲る形となった。手元になかったため今回改めて購入した。これは本棚に置いておきたいと思っていた本…

本当の翻訳の話をしよう(増補版)

村上春樹と柴田元幸の対談模様を主として収録した『本当の翻訳の話をしよう 増補版』を読了した。 雑誌MONKEYや村上柴田翻訳堂シリーズの巻末に収録された対談もあったので、半分くらいは既読のものであった。ただ、改めて読み返してみても、このふたりの翻…

翻訳教室

柴田元幸の『翻訳教室』を読了した。 柴田が名誉教授を務める東京大学における翻訳の講義を収録した本だ。題材とされる作家の趣味も合い終始楽しく読めた。一方的な講義形式ではなく、生徒たちとのディスカッションがメインである。 驚いたのは生徒たちの質…

小説の読み方、書き方、訳し方

柴田元幸と高橋源一郎の対談をまとめた『小説の読み方、書き方、訳し方』を読了した。柴田が訳した作品を読んだ流れで購入した。先日このふたりによるラジオもあり、それが聴き応えあったというのも本書を手に取った理由のひとつだ。 柴田元幸と村上春樹との…

MONKEY vol.24 イッセー=シェークスピア

柴田元幸の文芸誌『MONKEY』の最新号を読了。 年三回刊行される文芸誌で、私は気になる特集の時だけ購読している。今回は柴田が初めて訳すシェークスピア特集とあって、ワクワクしながら読んだ。 目玉となるのは柴田元幸が新訳した『リア王』である。シェー…

影裏

沼田真佑の『影裏』を読了した。数年前に芥川賞をとった作品だ。文庫化されたときから、そのタイトルと装丁に妙に気を惹かれていた。ここのところ海外の古典文学ばかりを読んでいたので、久しぶりに最近の日本文学が読みたくなり、このたび遂に本書を手に取…

犬物語

ジャック・ロンドンの『犬物語』を読了した。 前回書いた『火を熾す』の一篇を読んだ時点で購入した。ロンドンの小説が好みにあったので、柴田元幸訳の同シリーズを読破しておくことに。 この本は柴田がセレクトした犬に纏わるロンドン作品が収録されている…

火を熾す

ジャック・ロンドンの『火を熾す』を読了した。柴田元幸翻訳叢書シリーズで刊行されており、ずっと気になっていた。ロンドンの作品は初めて読むが、前評判の高さからとても期待していた。 読み終えた感想としては「期待通りだった」の一言に尽きる。古典米文…

自負と偏見

ジェイン・オースティンの『自負と偏見』を読了。名高い古典作品だが、実際に読んでみて、これは紛れもない傑作だと思わされた。 第一印象が最悪なふたりが、しだいに惹かれあい、身分の違いや様々な障害を乗り越えながら、最後には晴れて結ばれる。恋愛作品…

村上さんのところ

村上春樹の『村上さんのところ』を読了した。 期間限定サイトで村上春樹がファンからの質問に答えた文が収録されている。先日『海辺のカフカ』を再読して、村上の語り口にまだ浸りたい気持ちになったので、未読のこの本を手に取った。 一問一答形式で書かれ…

誰がために鐘は鳴る

ヘミングウェイの『誰がために鐘は鳴る』読了。 ヘミングウェイの名の知れた大作。戦争ものは苦手だったが、前回読んだ『武器よさらば』が存外に面白かったので、今作も期待して読んだ。 結論から言えば面白かったが、期待したほどではなかった。主人公が敵…

英国諜報員アシェンデン

モームの『英国諜報員アシェンデン』を読了。 新訳版のモーム作品を3作連続で読んだ。ただ、今作では少しだけ肩透かしをくらうこととなった。 実際に諜報員として働いた経験を持つサマセット・モーム。そんな彼が描く諜報員の物語は、ゆえに007等に見られる…

ジゴロとジゴレット

サマセット・モーム『ジゴロとジゴレット』読了。 私の中で突如始まったモームブーム。この作品を読み終えても尚、その勢いは留まることを知らない。 今作は訳者による短編小説の傑作選。前評判通り、一篇の駄作もなく、どれも素晴らしい作品であった。退屈…

月と六ペンス

サマセット・モームの『月と六ペンス』を読了。「この作者は他の作品も読まなきゃならない」。この作品を半分ほど読み終えた私は、そんな思いに駆られ、すぐさま同じ訳者により手掛けられた2作品を注文した。モーム作品を読むのは初めてだったが、すぐさま彼…

海辺のカフカ

村上春樹の『海辺のカフカ』を再読した。 読み返すのは大学以来だ。村上春樹Tシャツを買ったことで思わず読み返したくなった。実家にはハードカバーがあるが、今回は文庫本で買って読んだ。 この作品は私が村上春樹作品にのめり込むきっかけとなった作品だ。…

オリーヴ・キタリッジの生活

エリザベス・ストラウト著『オリーヴ・キタリッジの生活』を読了した。 こちらも愛読する読書ブログの紹介で手に取った。『ピュリッツァー賞』を受賞した作品のようだ。 流麗な筆致で、瑞々しい表現に溢れる素晴らしい作品であった。何気ない日常をドラマチ…

雪沼とその周辺

堀江敏幸の『雪沼とその周辺』を読了した。 愛読している以下のブログで紹介されており、気になったので手にとった。初めて読む作家だったが、数々の文学賞をとり、さらに現在は賞の審査員まで務めているという作家らしい。 『雪沼とその周辺』堀江敏幸|品…

よつばと!最新刊

『よつばと!』の新刊が発売された。 実に三年ぶりとのことだ。つまりはこのブログを書き出して以来、一冊も出ていなかったのである。待ち焦がれたぶん、期待に胸が弾んだ。 『よつばと!』は五歳のよつばの生活を綴った日常系漫画だ。笑いあり、涙あり、癒…

いなごの日/クール・ミリオン

ナサニエル・ウエスト『いなごの日/クール・ミリオン』を読了。柴田元幸による傑作選だ。村上柴田翻訳堂シリーズ。読むのはこれで四作目だが、やはりこのシリーズにハズレなしだ。彼らの審美眼への信頼は深まるばかりである。 ウエストは今回初めて読んだ作…

アウグストゥス

ジョン・ウィリアムズ著『アウグストゥス』私の愛読書『ストーナー』の作者だ。彼は生前3作の長篇(処女作は本人が認めていないため数に含めていない)を残していて、本作が彼の遺作である。私はこれまでに他2冊を読んでいるので、私にとっても彼の最後の作…